当社はホームページの制作において最も重要なポイントはヒアリングだと考えています。
ヒアリングはお客様のご要望を聞き出す打ち合わせです。ここでは、お客様がホームページを制作される理由に始まり、目標やターゲット、ビジネスモデル、投資可能なリソースレベルなど、様々な点をご確認させて頂き、明確化してまいります。一見、ホームページの制作とは直接関係のないようなこれらの項目がとても重要な役割を果たしてくれます。実際の作業である企画・構成、デザイン、コーディング、プログラミング、システム構成などの全ての土台となってくれるのです。
例として、古書店を経営している方が新たに通販サイトを立ち上げる場合を考えてみましょう。
ヒアリングの中で、下記6点を確認したものとします。
- サイト新設の理由 ――― ネット通販による売上を得たいため。
- 目標 ――― 1日あたり10件の注文。
- ターゲット ――― 日頃インターネット通販を利用している20台〜30台の学生、社会人。
- ビジネスモデル ――― 本の販売収入とサイトの広告収入。
- 投資可能なリソース:
人 ――― 店長が空き時間に担当。1日に2時間程度。
物 ――― 一般のノートパソコン1台。
金 ――― 月1万円程度。
- 取り扱っている商品の種類 ――― ビジネス書や参考書、技術書、理工書。
どうでしょうか?
これだけの項目を明確化すると、ホームページのイメージが具体的に浮かんできませんか?
例えば20台〜30台の学生や社会人を想定してビジネス書や参考書を売るということは、デザインはポップで賑やかなものよりも、落ち着いたシンプルなものにする方が良いはずです。そして、学生や社会人の方は明確な目的意識を持って勉強のために本を探しているはずですから、本の内容紹介記事はキッチリと必要十分な分量を用意してあげるべきです。さらに欲を言えば購入者がレビューを書ける機能を付ける方がよいでしょう。参考書やビジネス書は類似書籍が多いため、比較検討の判断基準になる情報が多い方がよいからです。
また、1日辺り10件の注文が目標であれば、1日のアクセス数はユニークユーザー数で数千人は欲しい所です。サイト全体でのPVも最低でも10,000〜20,000程度は必要でしょう。となると、SEO対策はかなり重要になってきます。トップページのSEO対策はもちろん、商品の個別ページのSEO対策に重点を置く必要があります。レビューなども1ページに全件表示させてはページ分量が多くなりすぎてSEO対策上良くないので最新の数件及び評価の高い数件のみを表示して、残りはリンクにすべきです。
そして、広告収入も必要であれば、それも意識して商品紹介ページをデザインする必要があります。
広告の収益額はそのレイアウト、配置によって大きく変動してしまうからです。
また、投資可能なリソースを見ると、月に1万円程度のコストしかかけられないということです。1万円ではサーバ代、ドメイン取得・更新代などで尽きてしまいます。その為、更新サポートを外注する余裕はないことになります。そして店長が使える時間も2時間程度です。ということは使い勝手がよく、簡単に作業ができる管理システムの導入が必須となります。
どうでしょうか?サイト設計に必要な具体的イメージがどんどん膨らんできたはずです。
たった6点の項目を明確化しただけでサイトの基礎設計が完了してしまったのです。あとはここで出揃った材料をさらに煮詰めていき、実際の企画・構成に入っていけばおのずと良いサイトが完成するはずです。
しかし、意外とこのステップはおざなりにされがちです。目に見える形での進捗がないからです。いきなりデザインやページ構成の話に入ってしまうヒアリング形式を採る業者もいるかと思います。ところが、それでは方向性の違うサイトが出来てしまう可能性があります。
その為、制作においては徹底的にヒアリングを行い、納得できるまで時間を掛けるべきです。
当社はこの点を最重要視して制作を行うことを心がけています。